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[Old Market]

部屋を決めた。ホットシャワー、エアコン、テレビ付きのかなり小綺麗な部屋でUS$20/day。ここで、Navyの日当がUS$5/dayであるというのからも分かるように、ガイドブックには数US$で泊まれるGHが結構のっている。が、ここはまがいなりにもHOTELなのだ。上を見れば数百US$の豪華ホテルもあるが、小汚い男の独り旅としてはかなり贅沢な部屋といえる。全行程8泊9日の今回の旅ではそんなに節約する必要もないので楽だ。月々ちゃんと収入があるというのも強みだろう。なんて言いつつも、ここへ来る前にトランジットしたBANGKOKでは、前に泊まった約300円/dayの安宿で寝たが...。それはそれ、物好きと言われれば否定できないし、Navyの日当を値切るようなことも楽しみの一つである。少しでも値切ればすごく得した気分になるし、たとえ数円でもボラれれば悔しかったりするものだ。

そんな酔狂な楽しみの一つに食事がある。ここは世界中から観光客が来るので豪華な中華料理からハンバーガーまである程度のものは食べられるのだが...。近くでNavyが普段食事をしているところを教えてくれと言うと、彼は部屋から近いOld Marketの中の食堂に連れてきてくれた。Old Marketの中ということもあってか、他にも物好きな観光客の姿もある。

入り口でケースの中の惣菜を二つ指差して適当に席につくと、女の子がコップを持ってきてくれた。テーブルの上にはポットに入ったお茶が置いてあって勝手に頂く。となりのテーブルをふと見ると、そのコップには氷が入っているが、俺のには入っていない。もう少し見回すと観光客のコップには氷が入っていないようだ。観光客に氷抜きを言う人が多いのだろう。う〜ん、でもやっぱり氷欲しいなぁ。こう暑くちゃなぁ。現地の人が平気で飲んでんだから、お腹壊す程度で死にゃ〜せんだろうに...。

頼んだ料理と御飯が皿に盛られて来た。テーブルの上にフォークとスプーンが立ててあって、これを両手に一本づつ持って食べる。美味いか?と聞かれれば不味いと答えるだろうが、口には合う。色々なものを食べてると、不味いものの中にも口に合うものと合わないものがあるのがわかる。これなら毎日食べても大丈夫だ。この時選んだメニューは甘辛く味付けされたソーセージと茹でた豚肉に辛いソースがかかったもの。他にも魚や野菜炒め、スープなどなど。一品も量が多いし、御飯はお代り自由でかなりお腹一杯になったが、US$1でおつりが来る。

満足して早速観光へ。一日外をうろうろするとすでに真っ黒に日焼けしてしまった。もともと、黒くなりやすいというか、メラニン色素が豊富というか、強力な紫外線プロテクターが標準装備されているというか。そうなのだ。

で、翌日またOld Marketの食堂に行った。肉野菜炒めとスープを指差して席に腰をおろすと、昨日の女の子が氷入りのコップを持ってきて俺の前においた。別にお腹は壊さなかったけどさ...。


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