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[Marketで見かけた親子] [サンダル屋のおねえさん] |
Old Marketの中をぶらぶらする。が、閑散としていた。こんな真昼間のくそ暑い時間では、あまり出歩かないのだろうか。店番もただ居るだけといったかんじで、柱と柱の間にハンモックで昼寝をしているのがやたらと目につく。お土産屋の前を通るとさすがに声をかけられるのだが。ほとんどが女性で井戸端会議の輪があちらこちらに。その横で子供がうろちょろと遊んでいる。 サンダル屋の前で足を止める。サンダル持ってくるのを忘れたのだ。この暑いのに靴下はいてスニーカーってのもなぁ。サンダルなどがぎっしりと並べられた店の中を物色する。おねえさんがよってきていろいろ勧めてくれるが、そんないいのを買う気はもうとうない。デザインはどうでもよいが、とりあえず歩きやすそうなのを。ひとつを指差して履かせてもらう。なかなかよい。これなら長時間あるいても大丈夫そうだ。
とりあえずもう一つのほうも履かせてもらうが、あちこちあたっていたい。だめだこりゃ。しっかしなぁ、御飯がUS$1でNavyの日当がUS$5、小綺麗な部屋がUS$20とくれば高すぎる。
そういうとおねえさんは恥ずかしそうに笑った。ここへ来て思うことは、人の笑顔がとても日本人好みなこと。素朴というか、すれてないというか。などと鼻の下をのばしている暇はない。時間があればじっくりと交渉するところだが、とっととサンダルに履き替えて遺跡巡りをせねばならない。よそに行ってまた一から交渉するのもなんだし、日本で買うよりは安いだろうし、おねえさんの笑顔は素敵だし、なんてったってMade in Thaiだし。まーだいけるなと思いつつもUS$5で手を打った。 値段交渉を勝負に例えるならば、まず勝つことはない。相手は商売をしている以上、損をするような値段で売ることはないのだ。現地人と同じ値段で売ってもらってやっと引き分けと言ったところだろうか。が、ボロうとしている相手にはそれもまずない。最初に言ってくる値段が相場の10倍なんてのはよくある話で、ツアー客が連れて行かれる土産物屋じゃ100倍なんて話もある。つまり何も交渉しない人にはその値段で売ってボロ儲けしているのだ。なんたって相手は数多くの交渉をこなしているプロ中のプロ。それでも果敢に交渉を挑み、負け分をできるだけ少なくしなくてはならない。だからといってあまり神経質になると時間もかかるし、人間不審になるというか、楽しめなくなると言うか。最終的には自分の納得できる値段なら例え100倍でもよいのではなかろうか。それでも日本で買うよりは安かったりするし、なんといっても本場で買ったとか食べたとかいうことは、旅行者には重要だったりする。後でボラれたことを知るとちょっと悔しいけど、運良く気付かなければ幸せだったりするものだ。 一旦部屋に戻り履き替えて出てくると、Navyがサンダルに気付いた。さっきOld MarketでUS$5で買ったと言うと、彼は眉間にしわをよせてすかさずこう言った。
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