007


[Angkor Wat]


[Bayon]


[Ta Prohm]

まだ暗いうちに部屋をでる。裏口から表にでる廊下には従業員達がごろごろと寝ている。そこを通り抜けるとNavyが迎えに来ていて、アンコールワットに行く。眠い目をした観光客達が今か今かと日の出を待つ。そのまま、その辺で朝食をとって遺跡をめぐる。お昼が近付くにつれ暑さがまとわりついてくる。昼食の後部屋に戻ってシャワーを浴び、1時間程昼寝をして再び出かける。夕方になると夕日の見えるポイントに腰をおろし、日が沈んでいくのを眺める。夕食をとって部屋に戻り再びシャワーを浴びて、ほこりと汗にまみれた体と衣類を洗う。ぐったりとしてベッドにつく。

ここではこんな規則正しい生活をしていた。早朝からでかけて、炎天下の中遺跡の登り降りを日が暮れるまでしてたら4日間ももたない。一番日差しの強い時間に昼寝をとるよう勧めてくれたのはNavyだった。初めは余裕たっぷりで、お前が休みたいだけじゃなかと少々疑ったが、日がたつにつれおっしゃる通りですと思うようになった。彼はこんなことにも気を使ってくれる。

ある日のお昼、シャワーを浴びた後にそのまま下着もつけずにベットに倒れこんで寝てしまっていた。と...。

ガチャガチャガチャ
女:「きゃー!!!」
バタン!

そうだ、今回は少々贅沢をしたからちゃんとベッドメイクがあるんだ。チェーンも掛けなかったっけ。少しだけ意識を取り戻してこんなことを考えつつ、まぁいいやと再び寝る俺。

こんな旅をしているといろいろなことがあり、この手のことには動じなくなる。カギの壊れた共同トイレに腰をおろしているところドアをあけられたり、公衆トイレの個室のしきりに小さな穴があいていて、隣の個室からのぞかれたなんてこともあった。トイレのないようなところでは、ちょっとした物陰でようをたすなんてこともしばしば。慣れとは恐ろしいものだが、羞恥心が欠落してしまうというのもいかがなものだろう...。

目を覚ます。そんなことがあったこともすっかり忘れて、再び部屋をでる。ロビーで従業員達がテレビを見ている。俺の顔を見て、大笑いする輩の中に顔を赤くする女の子が一人。お前か、お前だな...。


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